広島高等裁判所 昭和40年(く)32号 決定 1966年1月06日
少年 T・K(昭二六・一・五生)
主文
本件抗告を棄却する。
理由
抗告申立人の抗告の趣意は記録編綴の抗告申立書記載のとおりであるから、ここにこれを引用する。
これに対する当裁判所の判断は次のとおりである。
職権により調査するに、少年調査記録中の山口県玖珂郡○町長樋口静恵作成の戸籍謄本によれば、抗告申立人E子ことS・E子は少年の実母であるが、昭和三〇年一〇月二二日夫T・Iと協議離婚し、少年に対する親権者をT・Iと定めていることが認められ、抗告申立人E子は少年の親権者ではないから少年法第三二条所定の抗告申立権はないものである。
よつて、本件申立は抗告の手続がその規定に違反した不適法のものであるから同法第三三条第一項に則り、これを棄却することとし、主文のとおり決定する。
(裁判長裁判官 高橋英明 裁判官 福地寿三 裁判官 田辺博介)